整形外科学講座

講座紹介

 長寿社会が達成された現在、人々は生活の質の改善を求めており、運動器疾患の治療と撲滅は最重要課題とされています。
 和歌山県立医科大学整形外科はこの社会的要求に応えるべく、脊椎?脊髄疾患、関節疾患、手の外科などに関する様々な研究活動を行っています。
 なかでも、脊椎?脊髄病の病態解明と治療方法の開発は重要なテーマの一つであり、動物モデルを用いた腰部神経根性疼痛メカニズムの解明、細胞組織工学による椎間板再生、骨形成タンパクと人工骨の脊椎固定術への応用、パッチクランプ法(単一細胞レベルで神経活動を観察する電気生理学的手法)を応用して脊髄内痛覚伝達機序の解析や脊髄損傷急性期における病態の解明と治療法の開発を行ってきました。
 臨床研究では電気生理学的手法を用いて脊椎?脊髄手術をより安全に行うことに役立てた(脊髄モニタリング法)ほか、臨床症状や画像検査だけでは診断が困難な脊椎?脊髄疾患の補助診断法を開発中です。低侵襲手術の研究?開発にも力を注いでいます。 また、外来患者数が非常に多いにも関わらず、その発生割合や治療しなかった場合の自然経過が不明であった腰部脊柱管狭窄症の疫学調査を東京大学と共同で行っています。
 そのほか、関節外科、手の外科分野においても優れた臨床研究を行っており、日常診療に役立てています。