外科学第1講座
教室概要
和歌山県立医科大学の外科学教室は昭和20年に始まり、昭和31年に第1外科と第2外科の2講座制となり、さらに昭和46年に第一外科より脳神経外科、麻酔科、胸部外科に分かれ、岡田浪速教授が胸部外科初代教授として就任し、昭和60年に内藤泰顯教授が第2代目の教授に就任した。平成7年に大学の機構改革により胸部外科から外科学第一講座に改称され、平成13年に岡村吉隆教授が第3代目の教授に、平成28年6月に西村好晴教授が第4代目の教授に就任し現在に至っている。心臓血管外科、呼吸器外科、乳腺外科の3分野の診療、教育、研究を行っている。
専門分野別の概要
心臓血管外科グループ
心臓血管外科は狭心症、弁膜症、大動脈瘤から末梢血管、小児心臓手術にいたるまですべての領域をカバーしており、手術件数は年々増加しています。2024年度の総手術数は511例、内、開心術は330例でした。また、ステントグラフト内挿術、経カテーテル大動脈弁置換術、低侵襲手術(僧帽弁形成、大動脈弁置換、冠動脈バイパス)を積極的に導入しています。また基礎的研究として心筋再生医療に取り組んでいます。県内での心臓血管外科のニーズは高く、さらに教室を発展させるためにはより多くの若手医師が必要です。
呼吸器グループ
和歌山でも体に優しい最新の低侵襲手術を受けてもらえます。胸腔鏡手術といっても様々ですが、当院では体を切り開かず、孔だけを開けモニター視のみで手術を行う、完全胸腔鏡手術やロボット支援下手術を積極に行い、全体の8割をこれらの低侵襲手術で行っています。呼吸器外科手術も200例以上、肺癌手術件数も年間120例前後と豊富な手術件数があります。最近は臨床試験や治験も積極的に行っており、うまく条件が合えばまだガイドラインに載っていないような最新の治療も選択可能です。また、当院では呼吸器内科、呼吸器外科が診療科の垣根なく密に連携しているのが特徴で、その場で内科?外科両方の意見を集約した“和歌山医大呼吸器チーム”としての治療選択を提示し、呼吸器治療のプロフェッショナルとしてのチーム医療を実践しています。地方の医師不足が社会問題となっており、あまり知られていませんが呼吸器外科は話題に挙がるどの診療科よりも医師が少ない分野です。地域にまで医師が派遣できておらず、和歌山全域からの患者さんを受け入れて診療にあたっています。
乳腺外科グループ
乳腺外科グループは、「外科」と名前がついていますが、マンモグラフィ?超音波検査?穿刺吸引細胞診?針生検、吸引式組織生検など、乳腺疾患の診断に必要な各種検査を実施しています。 また、転移性乳癌の方、術後に転移再発した乳癌の方の治療(抗がん剤治療、分子標的治療、ホルモン剤治療、放射線治療、緩和医療など)も行っています。
必要に応じ、腫瘍内科、形成外科、放射線科、歯科口腔外科、整形外科(腫瘍)、ゲノム診療部(認定遺伝カウンセラー/臨床遺伝専門医)、産婦人科、緩和ケアチーム、乳癌認定看護師をはじめ、多くの科?部門?チームと連携しています。
日本外科学会専門医?認定医、日本乳癌学会専門医?認定医、マンモグラフィ読影認定医、臨床遺伝専門医などの資格も取得できます。
2024年の手術件数は209件(うち原発性乳癌176例)、乳房再建も17例行っています。患者さんは年々増加傾向であり、まだまだ沢山の乳腺外科医の育成が必要です。
スタッフ紹介(2025年4月1日現在)
教授 | 西村 好晴 | 昭和62年和歌山県立医科大学卒 | 心臓血管外科 |
准教授 | 本田 賢太朗 | 平成14年和歌山県立医科大学卒 | 心臓血管外科 |
准教授 | 平井 慶充 | 平成17年和歌山県立医科大学卒 | 呼吸器外科 |
講師 | 上松 耕太 | 平成12年信州大学医学部卒 | 心臓血管外科 (先天性心疾患) |
助教 | 清井 めぐみ | 平成17年和歌山県立医科大学卒 | 乳腺外科 |
助教 | 宮坂 美和子 | 平成18年和歌山県立医科大学卒 | 乳腺外科 |
助教 | 矢田 由美 | 平成21年島根大学医学部卒 | 呼吸器外科 |
助教 | 國本 秀樹 | 平成22年和歌山県立医科大学卒 | 心臓血管外科 |
助教 | 島 あや | 平成26年和歌山県立医科大学卒 | 乳腺外科 |
助教 | 中村 諒 | 平成27年自治医科大学卒 | 心臓血管外科 |
助教 | 井口 豪人 | 平成30年和歌山県立医科大学卒 | 呼吸器外科 |